保有した建物が未登記だった場合と登記しないデメリット
未登記の建物を保有してしまうときとは
保有していた建物が未登記だったケースには次のようなことが考えられます。
- 相続した建物が未登記だった
- 築年数が古く建物の登記を行ってこなかった
- 増改築を行い建物の面積が増えた
- 売買で未登記の建物を購入した
- ローンを利用しないまま現金で建物を購入し、登記しなかった
土地・建物に関わるライフイベントの発生は、誰しも遭遇することです。では登記しないままその建物に住んだり、保有し続けてもいいのでしょうか?
未登記しない場合のデメリット
不動産登記法では「不動産は登記をした者に所有権を認めている」と決められています。
不動産とはその土地に定着している建物のこと。
つまり、登記していない建物は「自分の所有物です」と主張できないのです。
建物は住むだけでなく、金融機関からの借り入れの担保にもなりますし、売却することもできます。そのときに持ち主だと断定できません。
自身の権利を主張できるためには登記が必要なんです。
ですが、公的機関が建物を所有した際に本人確認のためにわざわざ調査しに来ることはありません。そのため、未登記の建物に気づかず登記しないまま長年住んでいる人もいます。
建物表題登記は義務
登記には「建物表題登記」と「権利の登記」の2つがあります。
表題登記は、建物や土地の登記を初めて作成することをいいます。土地家屋調査士が代理人として申請するものです。
申請には次のような内容の記載が必要になります。
土地の場合 | 所在・地番・地目・地積・原因・所有者 |
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建物の場合 | 所在・家屋番号・種類・構造・床面積・原因・所有者 |
建物表題登記は建物の完成後1カ月以内に申請しなければならない義務があり、罰則が設けられています。また、正確な情報を記載するには、土地・建物を調査、測量する専門的な技術が必要になります。
申請をすべき義務がある者がその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する(不動産登記法164条)
法律を遵守するためにも登記を怠らないようにしましょう。
一方、権利の登記は司法書士が代理人として申請します。
こちらは不動産の権利に関する情報を、記載するものです。
不動産の所有者、権利を取得した時期、住宅ローンなどの費用を記載する書類になります。
登記申請には書類を提出しなければいけない
登記を申請するためには、法務局へ提出する書類が必要になります。
- 代理権限証書
- 建物図面・各階平面図
- 住所証明書
- 所有権証明書
このうち、所有権証明書は複数枚必要になります。固定資産税課税証明書、工事完了引渡証明書、建築代金の領収書等などが一般的です。
申請に必要な書類についてこちらの記事で詳しく解説しています。
建物表題登記に必要な書類土地家屋調査士が登記を代行
四宮土地家屋調査士事務所では、建物、土地の測量や調査、書類の申請手続きまで全て行っております。正しい境界が書かれた図面、境界確定図を作成し迅速でスムーズな手続きをしております。
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登記に関わる費用についてはこちらで記事にしています。
建物表題登記にかかる費用